Vol. 1  土地から町へ 善福寺の野菜「やさいに人の歴史あり」

 

 

 

本橋平八+本橋成一

本橋さんご家族にとって農業、野菜作りを代々続けてきて、善福寺に深い根があります。本橋平八さんは歳から畑の仕事を始め、息子さんもその足跡を継ぎ、また現在お二人は畑の知識を桃井第四小学校の子どもたちと共有しています。本橋さんたちの畑は善福寺保育園の裏にあり、一年を通じて美味しい野菜を作っています。主にインゲン、枝豆、カリフラワー、キャベツ、キュウリ、小松菜、サツマイモ、サトイモ、ジャガイモ、大根、トウモロコシ、トマト、茄子、ピーマン、ブロッコリー、ホウレンソウを作っています。

 



杉並区の角にある善福寺という町はもともと畑と林ばかりのところでした。人々がその土地のものを食べて暮らし、生活が自然のリズムとともにありました。しかし、今、どこの町でもそうですが、多くの土地は住宅地となり、都内に残っている畑も極わずかとなってきました。スーパーや現代の便利品が取って代わり、住民たちでも畑の存在が見えなくなってきています。

 

グローバル化する社会において私たちは食べ物がどこからきて、どのように自分たちの口に入るのか、その自然のプロセスを忘れてしまいました。今回のイベントがそのプロセスを取り戻す切っ掛けになればと思います。

 

「やさいに人の歴史あり」。一つの野菜をとってみても、その背景に広がる人の歴史や営みがみえてきます

 

。畑から生まれた、都会の町の本質的な力、過去の人間関係・価値観を追体験することで今の社会に生きる私たちの日常生活の中でその潜在的創造力を活かすことができないでしょうか。

 

このトークイベントでは地産地消の考えに触れながら、ローカルな農産物に興味がある方が集まり、様々な視点から意見・経験を交換したいと考えています。この土地で採れる食材を紹介し、農家さんの体験談を聞き、自分の手で何かを作る、作ったもので生きていくという感覚を皆さんでシェアしつつ、現在直面している問題も含めて食に対する情報を交換しながら話していきたいと思います。

 

ks kitchen 中竹京子

家庭料理研究家。欧米留学から帰国後、体調を崩し休養中に母が作ってくれた料理で元気を取り戻してから、昔から伝わる家庭料理に魅せられて料理の道へ。温かい母の味を次の世代に継承するだけでなく世界中の人々に知ってもらいたいと思い、現在活動中。webサイト(http://kskitchenjpn.tumblr.com/)